岡田 知弘『道州制で日本の未来はひらけるか―グローバル化時代の地域再生・地方自治』自治体研究社

道州制で日本の未来はひらけるか―グローバル化時代の地域再生・地方自治

道州制で日本の未来はひらけるか―グローバル化時代の地域再生・地方自治


構造改革」政策が地域格差と貧困をもたらした。それを打開し、持続可能な地域経済と地域社会をつくる道は、国民・住民の自治の創造力にある。道州制の導入は、その自治の力を奪うものだ。本書では、日本の地方自治運動の新たな地平に立ち、現今の道州制導入を中心にした地方制度改革の動向を批判的に検証しながら、現代日本の地域がかかえる危機的状況の解決方向を、地方自治及び地域再生の視点から述べている。

地域の問題を経済学から学んでみようとして読んだ本。内容は非常に濃いもので、現在の新自由主義路線による地域、なによりそこに住む人々の疲弊の状況を描いている。さらにはその中から住民自身の運動の立ち上がりを論じている。やや小泉改革および経団連会長への押し付けが強いものの、現状を把握するには良い本です。