大塚 英志『偽史としての民俗学―柳田國男と異端の思想』角川書店

偽史としての民俗学―柳田國男と異端の思想 (怪BOOKS)

偽史としての民俗学―柳田國男と異端の思想 (怪BOOKS)


日本民俗学の祖、柳田國男民俗学という領域が生まれるとき、柳田は何を見、何を考えたのか。「偽史」「オカルト」「ファシズム」「妖怪」「国家」柳田國男と異端者たちとの交錯は何を生んだか。

以前紹介した『「伝統」とは何か』から続く作者の関心である「柳田民俗学のもう一つの可能性」を追及した一冊。前回は「公民」でしたが、今回は「偽史」。国家に絡めとられない民俗の可能性を見通したいという著者の考えが出ています。新書ではなく単行本だったせいか、前作よりは研究書としてのスタイルが前面に出てました。